精神分析的カウンセリング


 

当相談室での精神分析的カウンセリングとは

是非、自由にどんなことでも言葉にしてみてください。こんな言葉は言ってはいけない、とか、これを言ってはカウンセラーに悪い、と思うような思いも是非、このカウンセリングの場で語ってみてください。カウンセラーは一切批判や指導はしませんので、遠慮したり恐れる必要はありません。

また、些細なことも、省略無く語ってください。些細なことにこそ、無意識(あなたの忘れてしまった思い、欲望)は顔を覗かせているものです。

カウンセラーは必要に応じ、言葉を返しこの過程を手助けさせていただきます。例えば、ご自身ではどうしても気づき難い自分の語り方の特徴やパターン、思いの様々なつながりを示すなどによって、さらに語りが進み自分の思いや欲望に近付け自由が得られるように援助させていただくわけです。

実際のところ、「これが私の本当の思い!」・・というような固定的なものは無いでしょう。カウンセリングでは、むしろ、逆に、これは本当に私の思い?誰かのを受け継いでいるだけでは?私は本当にこう考えているの?・・というような疑い、自問自答が進むことでしょう。しかし、それこそが大切です。確定しようとするところに「とらわれ」「不自由」が生じるのですから。この思考のとどまらない流れこそあなたの本当の思考であり、この流れをこそカウンセラーは促すのです。

以上のように精神分析的カウンセリングは道徳や何らかの考えかたの押し付けや指導ではありません。何ら特別な技法を用いるものでもなく、催眠や行動療法でもなく、あくまでご相談者の語りを中心に言葉で進めていくものです。

精神分析及び精神分析的カウンセリングについてより詳しく



精神分析はウィーンの精神科医フロイト(1856-1939)によって創始されました。その中心的なやり方は上記したような「自由連想」(自由に語っていただくこと)と「解釈」(分析家からの言葉)です。それによって、心から振り落とされ忘却されてしまっていた思考=「無意識」を意識化し、そのような気付かれない思考が引き起こしていた様々な症状から人を解放しようとするわけです。更にラカン(フランスの精神分析家、1901-1981)によって、フロイトの精神分析理論がより論理的に整理されるとともに、言葉における無意識の表れについて更に精緻な検討が進められました。言葉のやりとりが全てである精神分析(やカウンセリング)において、その「今、ここ」の言葉そのものを通して、無意識における囚われを見出しそこから人を解放する視点が大きく進められたとも言えるでしょう。更にラカンの考え方の特徴は、いわゆる症状の治療という以上に、思考・言葉・心の自由を目指すところにあると言えるでしょう。


なお「精神分析的カウンセリング」についてですが、そこで活用される理論や考え方の基本は上記した「精神分析」と違うものではありません。通常1週に4日以上行われる精神分析に対して、1週3日以内のペースで行われるものが一般に「精神分析的カウンセリング」と呼ばれるわけであり、ほとんど形式的な違いに留まるものです。

どのようなかたに?

心のことでお悩みのことがあれば、まずはお電話やメールをください。その時点で当相談室のやり方が合うかどうか、などをある程度お伝えできるかと思います。基本的には心のどんな悩みも症状も、言葉や思いを押さえつけるところに起因していますから、問題の種類にかかわらず精神分析が役立つことでしょう。

こんな悩み、この程度の悩みで相談していいのか、と思う必要はありません。

相談の具体例としては、本当の欲望あるいは本心を生きていない感じがする、不安定な或いは不快な気分がある、心のことが体に出易い(しびれ、涙、感覚麻痺、動悸、過呼吸、その他神経症の幾つか、etc.)、同じような失敗を繰り返す(いいところでいつも失敗する、同じ恋愛パターンを繰り返すetc)、対人上の困難がある(学校や職場での人間関係の問題、緊張が強い、先生や上司が怖い、人に動かされ易い、自分が悪いと思いやすい、自己嫌悪、自己否定、愛情表現がうまく出来ない、etc.)、人生上の問題がある(就職や面接が怖い、不安、自信がない、etc.)、性的アイデンティティーの悩みがある(同性愛不安、etc.)など。又これに限らずお悩みがありましたら、まずはお話ください。

精神分析的カウンセリングの適さない場合: いわゆる統合失調症や重度の真性のうつ病等は、通常(様々な意見はありますが)、精神分析(および精神分析的カウンセリング)は適さないとされます。当相談室のやりかたも基本的には合わないでしょう。その他にも精神分析ではなく医療的に治すべきものである場合があります。なかなかすぐには判明しがたい場合もあり申し訳ありませんが、分かり次第お伝えいたします。なお当相談室は医療機関ではありませんので、緊急な対処や、服薬等医療的な対処が必要な場合は医療機関にご相談下さい。また生活保護は使えません。


精神分析的カウンセリングの流れ

完全予約制です。まず、お電話あるいはメールでお問い合わせ下さい。当相談室について不明点や相談内容の適合性についてのご質問があればお尋ね下さい。来室を決断されれば、予約をきめます。





初回面接および契約:50分。ご相談内容、カウンセリング動機を詳しくお聞きし、また、当方のやり方などのご説明をします。同意して頂いた場合、目標や今後の計画(面接ペース等)を立てます。ご不明点あればお尋ね下さい。





通常面接:1回50分のカウンセリングを行います。思い浮かぶことを言葉にして頂く作業を続けます。必要な場合にカウンセラーは解釈を返します。このようなカウンセリングを繰り返します。毎回ごとに次の予約時間を設定します。





終了:終了はご相談者にまかされております。このあたりで終わってよい、とお考えの時にカウンセラーにお伝え下さい。ただ、ご本人は良い、と思っていても問題が残っている場合もあり、それはお伝えしますので、終了すべきか吟味してください。それでも終了がご希望の場合は、ご本人の決断にお任せします。



*ペースについて:ご相談の上で決定しますが、精神分析的カウンセリングの場合月4~5回以上、できれば週に3回は行われるのが通常望ましいものです。間隔を開けてやるより凝縮させたほうが、結局全体の回数は少なくてすむとも言われています。                                                                         


*必要回数について:ご自身の目標や問題の深刻さによります。また、心の進展は個々人で違いますので、厳密に何回で済むとは前以て予見するのは不可能です。最善の方法は、ある程度(目安でしかありませんが5~7回)続けた時点で何かの進展が感じられたようであれば更に続行していただく、というものです。それまででも終了をご希望の場合はご本人の意思を最優先いたしますのでお伝え下さい。



ご留意頂きたいこと



*当相談室は医療機関ではありませんので、投薬等の医療行為は行いません。また生活保護もご利用できません。


*面接は、予定時間の5分前より入室可能です(待合室はございません)。遅れてお越しの場合も、予定時間通りの終了となります。早めにお越しの場合も、面接時間は50分間です。